依頼者様の問題を解決するために、誠心誠意問題を対処いたします。
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弁護士法人SOLA法律事務所のお店日記
2012年01月03日 プット・オプション売り取引の危険性
皆さんは,金融商品の一つであるオプションについて,どのくらいご存知だろうか。 オプションとは,目的物を,一定期間後の満期日か,一定の条件が満たされた時点で特定の価格(権利行使価格)で買う,もしくは売る権利のことだ。買 う権利のことを「コール・オプション」,売る権利のことを「プット・オプション」という。なお,権利の対価は「プレミアム」と呼ばれている。 今年の3月11日の東日本大震災の発生とそれに引き続く福島原発事故の影響で日経平均株価が急落したことによって,プット・オプション売り取引で信 じられない額の損失を出してしまった者が多数いるという。私の理解によれば,そのカラクリは以下のような感じだ。 プット・オプション取引における目的物(今回のは日経平均株価=日経225)の権利行使価格を6000円代に設定する「ディープOTM(アウト・オ ブ・ザ・マネー)」では,東日本大震災が発生する前の日経平均株価が100…
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2012年01月03日 法教育出張授業再び
今年も府内の高等学校へ出張授業に行ってきた。 今回は,「少年事件」,「男女間の法律問題」,「家族・親子の法律問題」,「刑事事件と裁判員裁判」,「労働問題」,「交通事故」,「消費者問題 (悪徳商法等)」というテーマで授業を行う旨,あらかじめ学校にアナウンスし,テーマごとに教室を分けてもらい,聴講を希望する生徒が集まるというやり方 だ。 私が担当したのは「少年事件」だったが,教室が2部屋割り当てられたのは,これと「男女間の法律問題」の2つだったことからすると,それだけ生徒に 関心の高いテーマだということなのだろう。 成人が犯罪を犯すと刑罰(死刑,懲役,禁錮,罰金,拘留,科料)の対象になることに対し,少年は原則として保護処分(保護観察,少年院送致等)の対 象になることを説明し,少年事件の流れについてざっと説明した後,実際に今までに経験した少年事件の事案を抽象化して話すと,興味を持ったらしく,話の合 間に合い…
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2011年10月30日 判決所の作成と送達
民事訴訟法252条では,「判決の言渡しは,判決書の原本に基づいてする。」と規定されている。民事訴訟法254条1項に定められている例外(被告 が争わず,原告の請求を認容するとき)を除けば,民事事件の判決は,判決書が出来た状態で,裁判官がそれを朗読し,その判決書は言渡しの日から二週間以内 に送達されることになっている(民事訴訟規則159条1項)。 一方,刑事訴訟法には,上記のような民事訴訟法の規定に相当するものがなく,刑事事件では,「判決書は,判決宣告の際に必ずしも作成せられているこ とを要しない(最判昭和25年11月17日・刑集4・11・2328)」とされている。 判決書の送達も当然になされるわけではなく,判決書謄本の請求をしなければならず,1頁につき60円を支払わなければならない。判決書を判決宣告時 に必ずしも作成しておく必要がないことと関係しているのであろうが,謄本が送達されてくるのも判決言い渡し…
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2011年09月20日 不出頭でも裁判は進む
「裁判になったら,毎回法廷に出なければいけないのですか?」と聞かれることがある。 実は,民事事件では,常に裁判所まで出頭しなければいけないかというと,そうでもない。一方,刑事事件で出頭せずにすむのは,軽微事件など例外的な 場合に限られる。今回は,民事事件に絞って出頭せずにすむ場面を紹介しよう。
まず,(民事の)ほとんどの当事者は,判決期日にわざわざ法廷まで来ない。民事事件の判決は,当事者が出頭しなくても言い渡される(民事訴訟法 251条2項)。当事者席に誰もおらず,裁判官,書記官と事務官しかいない法廷でも,裁判官は判決主文を読み上げている。
次に,民事事件では,最初にすべき口頭弁論期日に限り,どちらかが出頭しなくても,答弁書や準備書面等さえ提出しておけば,出頭してその内容どおり 陳述した(書面に書いたとおりの発言をした)ことにしてくれる(民事訴訟法158条)。特に被告側だと,第1回の口頭弁論期…
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2011年08月25日 当番弁護士
日本国憲法34条には,「何人も,・・・弁護人に依頼する権利を与えられなければ,抑留又は拘禁されない」と規定されている。一方,日本国憲法37 条3項を見てみると,「刑事被告人は,・・・弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは,国でこれを附する。」と規 定されている。 これは,憲法の規定上,いわゆる国選弁護人は,刑事事件の「被告人」として起訴されてしまった後にしかつけてもらうことが出来ず,犯罪を犯したとの 嫌疑をかけられて逮捕され,「被疑者」となってしまった時点では,弁護人を依頼する権利があることを告げられるだけということを意味する。 逮捕されてしまった段階では国選弁護人をつけてもらうことは出来ないが,私選弁護人を依頼する資力(財力)があれば,弁護人を選任することができる というわけだ。 憲法上は上に書いたとおりなのだが,弁護人をつけたいが資力がない場合,起訴され…
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2011年08月02日 仮監での接見
大阪地方裁判所では,刑事裁判の直前や直後,裁判所の地下で待機している被告人と「仮監」というところで接見(面会)することができる。
被告人が遠方に勾留されている場合や,裁判前や裁判後に少しだけ確認しておきたいことがある場合には,非常に便利なので,私も今までに何度か仮監で 接見したことがある。
被告人が拘置所に勾留されている場合は特に事前の手続きは不要で,直接地下に行って申込すれば良い。被告人が警察署の留置施設に勾留されている場合 は,事前に裁判所で「指定書」という書面をもらって来なければならないので,少々面倒くさい。
仮監の接見室は,真ん中をアクリル板で仕切られている,部屋というより小さなスペースで,全体でも4人入れば満員になってしまうくらいの広さしかない。し たがって,弁護人が2人で接見にいくと,こちら側はギュウギュウになってしまう。
被告人とは,通常,アクリル板を挟んで差し向かいで話をすることにな…
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2011年07月21日 上訴権放棄
判決は,言い渡されたらすぐに確定する訳ではない。当事者には,その判決に対して不服がある場合に上訴して上級裁判所に再度判断を仰ぐことのできる 権利があり,上訴期間にその権利を行使した場合,判決は確定しないことになる。 以下では,ややこしくなるので,第一審の判決の確定を念頭において話を進めることにする。 上訴期間の起算時期は刑事と民事で異なり,刑事事件の場合は言い渡しの日の翌日から起算して14日(刑事訴訟法358条),民事事件の場合は判決書 が送達された日の翌日から起算して14日(民事訴訟法285条)となっている。この間に上訴しなかった場合,判決は自然確定する。 判決書を受け取る日を遅らせることが出来れば,民事の場合はその分確定を遅らせることが出来るということになる。刑事では,判決期日への出頭が義務 付けられている(刑事訴訟法284条ないし286条)から,上訴せずに確定を遅らせることは出来ないとい…
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2011年06月25日 弁護士バッジ
「弁護士バッジの色って,金と銀の2種類があるんですか?」と聞かれることがある。 実は,私も,司法修習生だった頃,修習先でお世話になっていた指導担当弁護士のバッジが銀色で,同じ事務所の新人弁護士のバッジが金色だったのを見て,指導担当弁護士に同じような質問をしたことがあった。 「弁護士バッジは銀製の地に金メッキをしとるだけやから,使ってるうちにメッキが剥げてくるんや。」と教えてもらい,なるほどと思ったことを覚えている。また,日本弁護士連合会に数万円を払えば,銀製のバッジに代えて,純金製のバッジを支給してもらえるらしい。 だから,「金と銀の2種類ある」というのは,正しいということになる。 つまり,純金のバッジをしていたり,紛失したために再支給してもらった場合という例外はあるものの,「銀のバッジをしていれば新人ではない」という一応の推定がはたらくことになる。 常に背広につけていたとしても,積極的に擦ったり…
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2011年06月11日 訴訟費用(刑事編)
刑事訴訟の費用は,民事訴訟とは違って裁判所に納める申立手数料というものがなく,証人の旅費・日当,鑑定人や通訳人の費用,国選弁護人の報酬くら いのものだ(刑事訴訟費用等に関する法律2条)。 証人の旅費・日当は,裁判所の管轄地域に住んでいる人であれば,4000円~5000円くらいになるようだ。 国選弁護人の報酬基準は,法テラスのホームページで見ることができる(http://www.houterasu.or.jp/content/230401houshu_gaiyo.pdf)。 手続きの種類,出頭日数によって報酬額に差が設けられており,さらに,被告人が保釈されたか,示談が成立したか等,弁護人が一定の成果を上げれば報酬が加 算される。 そして,訴訟費用は,有罪になってしまった場合,原則として被告人が負担することになっており(刑事訴訟法181条本文),訴訟費用を負担させる場 合は,その旨判決で言い渡されること…
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2011年06月11日 訴訟費用(民事編)
民事訴訟では,訴訟費用は敗訴した側が負担することになっている(民事訴訟法61条)。 そのためか,依頼者から,「訴訟費用には何が含まれるのです か?」と聞かれることがある。 「民事訴訟費用等に関する法律」の第2条を見てみると,訴訟費用に含まれる項目はいろいろあるが,依頼者から聞かれた場合,必ず説明するのは申立手 数料,郵便代,証人の旅費・日当だ。 申立手数料,郵便代について説明するのは,冒頭にも書いたように,訴訟費用は敗訴した側が負担することになっているものの,原告として訴訟を提起す る際,裁判所に申立手数料と訴状等を送達するための郵便代を立替払いすることになるからだ。 訴状に申立手数料分の収入印紙を貼り付け,郵便代は郵券(切 手)を裁判所に予納する(余った郵券は返してもらえる)。申立手数料は訴訟の目的の価額(被告に請求する金額だと思えばよい)が高いほど高くなっていく。 ちなみに100万円請求する場合は1万…
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